いつかの聖夜祭のおはなし。
「もう…レオンさんって心配性なんですね!」
「なんだ、そんなに俺とずっと一緒に居られるようにお願いしたかったのか?仕方ないやつだな…」
「レオンさん!茶化さないでください!」
「ハハ、すまん。――とにかく、今夜は部屋で暖かくしていてくれ。頼む」
「もう……せっかくの聖夜祭なのに……」
「なにも、展望台でお願いごとをするだけが聖夜祭じゃないぞ?
――俺の時代では、聖夜祭は家族でゆっくりと、皆の平安と幸せを祈るための日だった」
「レオンさんの時代、ですか?」
「そうだ。……こうして、静かに、祈る」
「……じゃあ、今年はレオンさんのやり方で聖夜祭を過ごしましょう」
「構わないぞ。アンタが出かけたりしないなら、それでいい」
「よく考えたら、今の私たちにぴったりの過ごし方じゃないですか。もっと早く教えてもらえていたら……」
「――それだけ、俺も今のセルフィアに馴染んでいるということだろうな」
「……それなら仕方ないですね」
「機嫌は直ったか?……ほら、フレイ」
「あ……」
「こうしていると、一人で居るよりあたたかいだろう」
「ふふ……はい」
「よし。……そうだな、せっかくだから、俺の時代の聖夜歌を教えてやろう」
「わぁ、聴きたいです!教えてください!」
「構わないぞ。俺について歌ってくれ――」
「この子にも聴こえるように、歌ってくださいね」
「もちろんだ。……将来、3人で、一緒に歌えるように……な」
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メリークリスマス!
(*´∀`)